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Insight

眉下切開を考える前に ― 眉位置と上まぶたの関係

上まぶたのたるみを治療するときに見落とせない、前頭筋の働き、眉の位置、額・こめかみのたるみとの関係を解説します。

眉下切開は、上まぶたの余剰皮膚を眉の下で切除する有効な手術です。一方で、上まぶただけを見て適応を決めると、術後の眉位置や顔全体の印象が想定と異なることがあります。

上まぶたのたるみは、まぶただけの問題とは限らない

加齢によって額やこめかみが下がると、眉も下方へ移動し、その影響が上まぶたの皮膚へ伝わります。

視野を保とうとして、前頭筋という額の筋肉を無意識に使い、眉を持ち上げている方も少なくありません。診察室で額の力を抜いてもらうと、眉の位置やまぶたの重なり方が変わることがあります。

この代償的な動きを確認せずに余剰皮膚だけを切除すると、術後に前頭筋の緊張が弱まり、眉が本来の位置へ下がって見える可能性があります。

眉位置が変わると、顔の印象も変わる

目と眉の距離が狭くなると、まぶたがすっきりしていても、険しい・重い印象に感じられることがあります。

以下の2枚の画像はAIに作ってもらった画像ですが、上まぶたのすっきり感、二重に乗っている皮膚の感じは同じですが、眉毛が下に下がるだけで印象がだいぶ変わるのがわかると思います。おでこの筋肉(前頭筋)の緊張などを考慮しないで、むやみに上瞼のたるみを取ろうと眉下切開などをすると、こういった現象が確認されることは、論文でも示されています。

眉位置が比較的高い状態を表したAI生成の説明用画像
説明用イメージ:眉位置が保たれている状態
眉位置が下がり目と眉の距離が近づいた状態を表したAI生成画像
説明用イメージ:眉が下がり、目と眉の距離が近づいた状態

以上は、眉位置の違いによる印象を説明するために作成したAIイメージです。実在する患者さんの術前・術後写真ではなく、治療効果を示すものでもありません。

眉下切開が適している場合

眉下切開そのものを否定するものではありません。厚い上まぶたの皮膚が余っている方、眉位置が十分に保たれている方、傷の位置を眉下に置く利点が大きい方には、良い選択肢となります。

一方で、眉がすでに低い方、額の力で眉を持ち上げている方、こめかみ側の下垂が強い方では、眉下切開単独では全体のバランスを整えにくい場合があります。

診察で確認するポイント

  1. 額の力を入れた時と抜いた時の眉位置
  2. 目と眉の距離、左右差、眉の形
  3. 上まぶた中央と外側の、たるみの分布
  4. 額・こめかみから上まぶたまでの連続性
  5. 傷、ダウンタイム、希望する変化の大きさ

治療は原因に合わせて選ぶ

主な原因が上まぶたの余剰皮膚であれば、眉下切開や上眼瞼の手術が適することがあります。額・こめかみの下垂が大きく影響していれば、前額リフトやこめかみリフトを検討します。

実際には一つの原因だけでなく、複数の変化が重なっていることもあります。その場合は、上まぶたと眉・額を別々に扱うのではなく、上顔面全体として治療計画を立てます。

まとめ

上まぶたのたるみを改善する目的は、皮膚を減らすことだけではありません。眉位置と表情の自然さを保ちながら、顔全体の調和を整えることが大切です。

掲載画像は眉位置による印象の違いを説明するためのAI生成イメージであり、実症例や治療結果を示すものではありません。実際の適応、傷、経過、リスクには個人差があります。