SSSHOICHI SASAKIPLASTIC SURGEON

Insight

上まぶたのたるみを、額・こめかみから考える

前額リフト、こめかみリフト、内視鏡・小切開リフトの違いと、上顔面を一体として治療する考え方を解説します。

上まぶたの重さは、まぶたの皮膚だけでなく、額・こめかみ・眉の位置から生じていることがあります。自然な若返りを考えるには、上顔面を連続した一つの領域として評価することが大切です。

額・こめかみリフトの主な考え方

現在行われている方法は、大きく分けると次のように整理できます。

  1. 生え際を切開し、余剰皮膚を切除する方法
  2. 生え際切開に、しわの原因となる筋肉への処置を加える方法
  3. 内視鏡または小切開から、額・こめかみの組織を移動・固定する方法
  4. 内視鏡・小切開法に、必要な筋肉処置を加える方法

どの方法にも長所と短所があり、傷が小さい方法が常に優れているわけでも、皮膚を切除する方法が常に強力というわけでもありません。

前額リフトと内視鏡・小切開法

前額リフトと内視鏡・小切開前額リフトの比較。実際の適応は、額の広さ、たるみ、傷の許容度などを含めて判断します。
比較項目 前額リフト 内視鏡(小切開)前額リフト
小切開こめかみリフトを含む
概要 額の生え際を切開し、額の深いしわやたるみを改善する手術です。前頭筋や皺眉筋などの筋肉処置を併用することで、長期的なしわの予防効果も期待できます。 こめかみに左右各2〜3cm、額の中央付近に1〜2cm程度の切開を行い、そこから眉を引き上げる手術です。合計4か所ほどの小さな切開から行い、眉毛挙上の効果が長く続くことが特徴です。
適応
  • たるみが強い方
  • 額に深いしわがある方
  • 額や眉間の筋肉収縮が強い方
  • 眉の左右差が大きい方
  • 額が広い方
※額を広くすることも可能です。
  • たるみがある方
  • 眉毛下垂がある方
  • 額が狭い方
リスク・欠点
  • 傷が目立って残る可能性
  • 植毛がしにくくなる可能性
  • 額や前頭部の知覚低下・知覚異常の可能性
  • 眉毛挙上としての効果は後戻りしやすい
  • 切開の前額リフトと比べ、左右差の調整が難しい
  • 額や前頭部の知覚低下・知覚異常の可能性
  • 傷が毛髪内にあるため、傷跡の状態や術後ケアの状況によっては、周囲に脱毛が生じる可能性がある
  • シワの再発が早い可能性がある
  • 生え際が後方へ移動するため、もともと額が広い方には不向きな場合がある
※額が広い場合には植毛が適応となることもあり、必ずしもデメリットになるとは限りません。

生え際切開は、余剰皮膚を直接切除でき、額の長さや深いしわを同時に調整しやすいことが特徴です。一方で、傷、植毛部への影響、額・頭皮の知覚変化などを考慮する必要があります。

内視鏡・小切開法は、複数の小さな切開から額・こめかみの組織を移動させます。傷を小さくしやすい一方、たるみの量や額の広さによっては別の方法が適することがあります。

こめかみリフトの方法

こめかみリフトと小切開こめかみリフトの比較。眉尻の位置、外側上まぶた、目尻周囲を一体として評価します。
比較項目 こめかみリフト 小切開こめかみリフト
概要 こめかみの生え際を切開し、こめかみのたるみを改善する手術です。目尻のたるみに近い位置から直接引き上げるため効果が高く、後戻りも生じにくいことが特徴です。 こめかみの毛髪内を左右各2〜3cm切開し、そこから目尻〜こめかみのたるみを引き上げる手術です。傷が小さく、髪の中に隠れやすいことに加え、自然な仕上がりが特徴です。
適応
  • 目尻のたるみがある方
  • 目尻のたるみを取りたい方
  • 笑ったときの目尻のしわを軽減したい方
  • 目尻のたるみがある方
  • 目尻のたるみを取りたい方
  • 目尻のみ上げるとつり目感が強くなる方
  • フェイスリフトの効果を高めたい方
  • 笑ったときの目尻のしわを軽減したい方
リスク・欠点
  • 傷が目立って残る可能性
  • 生え際を切開する方法と比べ、後戻りが生じやすい
  • 傷が毛髪内にあるため、傷跡の状態や術後ケアの状況によっては、周囲に脱毛が生じる可能性がある

こめかみの生え際を切開する方法では、目尻や眉尻に近い位置から直接たるみを調整できます。小切開法では傷を毛髪内へ置きやすい一方、移動量や後戻りを考慮した固定が必要です。

表情筋への処置をどう考えるか

額・眉間・目尻のしわや眉位置には、主に次の筋肉が関係します。

  • 前頭筋:眉を持ち上げ、額の横じわに関係する
  • 皺眉筋:眉の内側を寄せ、眉間の縦じわに関係する
  • 鼻根筋:鼻根部の横じわに関係する
  • 眼輪筋:目を閉じる働きがあり、眉尻や目尻の位置にも関係する

筋肉への処置は、しわを減らす目的だけでなく、眉を上げる筋肉と下げる筋肉のバランスを整える目的で行います。

ただし、強すぎる処置は表情、眉位置、知覚などへ影響する可能性があります。前額リフトの移動量と組み合わせ、必要な筋肉に必要な範囲だけ行うことが重要です。

術式を選ぶときの基準

  1. 額の高さと生え際の位置
  2. 眉全体と眉尻、左右差
  3. 上まぶたにたるみが集中する部位
  4. 額・眉間・目尻の表情じわ
  5. 傷、知覚変化、ダウンタイムの許容度

まとめ

額・こめかみリフトには複数の方法があり、目的も少しずつ異なります。術式名を先に決めるのではなく、上まぶたの重さがどこから生じているかを確認し、その原因に合う方法を選ぶことが大切です。

本記事は額・こめかみリフトに関する一般的な情報を提供するものです。掲載した比較は概要であり、すべての術式や個人差を網羅するものではありません。実際の適応とリスクは診察時にご確認ください。