「Deep Plane Facelift」という名前だけでは、実際にどの層を、どこまで剥離しているかは分かりません。文献や術者によって言葉の使われ方に幅があるため、名称ではなく手術内容を理解することが大切です。
Deep Planeには幅の異なる定義がある
Deep Planeは、広い意味ではSMASに何らかの操作を加えるフェイスリフト全般を指すことがあります。一方、より限定された意味では、SMASの深層へ入り、皮膚とSMASを一体として動かす方法を指します。
さらに中顔面で表情筋をどの層に含めるかによって、より細かな区別がなされることもあります。
1. 広義のDeep Plane
最も広い使い方では、SMASを切開、切除、縫縮、移動するなど、SMASに何らかの操作を加えるフェイスリフトがDeep Planeに含まれることがあります。
この定義では、SMASの下を広く剥離していない術式も含まれ得ます。そのため、「Deep Planeと書いてある」という理由だけで、支持靱帯の解放範囲や中顔面への効果を判断することはできません。
2. 狭義のDeep Plane
より一般的にイメージされるDeep Planeでは、顔の外側で皮膚下を進んだ後、一定の位置からSMASの深層へ入り、必要な範囲の支持組織などを解放します。
皮膚とSMASを一体の組織として移動させるため、中顔面を含めた変化を設計しやすく、皮膚だけに強い張力をかけにくいことが特徴です。
3. さらに限定されたDeep Plane
中顔面では、表情筋をSMAS側の組織に含めるかどうかによって、剥離する層の考え方がさらに分かれます。学術的にはコンポジットフェイスリフトと呼ばれます。
どちらか一方がすべての患者さんに優れているわけではありません。SMASの厚さ、脂肪の分布、過去の手術、併用する術式などに応じて、適切な層を選択する必要があります。
カウンセリングで確認したい4点
- SMASの深層へ入る位置と範囲
- 支持靱帯や周囲組織をどこまで解放するか
- 頬・フェイスライン・首のどこを改善目標とするか
- 自分のたるみ方に、その術式が適している理由
まとめ
Deep Plane Faceliftは一つの決まった操作を指す言葉ではなく、幅を持って使われています。術式名だけで手術の質や効果を判断することはできません。
患者さんごとの解剖と希望に合わせて、必要な層・範囲・移動方向を設計しているか。それが最も重要な確認点です。