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Insight

Deep Plane Facelift ― 3つの定義を整理する

同じDeep Planeという名称でも、術者や文献によって指している手術内容が異なります。3段階の定義から整理します。

「Deep Plane Facelift」という名前だけでは、実際にどの層を、どこまで剥離しているかは分かりません。文献や術者によって言葉の使われ方に幅があるため、名称ではなく手術内容を理解することが大切です。

Deep Planeには幅の異なる定義がある

Deep Planeは、広い意味ではSMASに何らかの操作を加えるフェイスリフト全般を指すことがあります。一方、より限定された意味では、SMASの深層へ入り、皮膚とSMASを一体として動かす方法を指します。

さらに中顔面で表情筋をどの層に含めるかによって、より細かな区別がなされることもあります。

Deep Plane Faceliftの広義・狭義・さらに狭義の定義を同心円で示した図
Deep Planeという言葉には、広義・狭義・さらに限定された使い方があります。

1. 広義のDeep Plane

最も広い使い方では、SMASを切開、切除、縫縮、移動するなど、SMASに何らかの操作を加えるフェイスリフトがDeep Planeに含まれることがあります。

この定義では、SMASの下を広く剥離していない術式も含まれ得ます。そのため、「Deep Planeと書いてある」という理由だけで、支持靱帯の解放範囲や中顔面への効果を判断することはできません。

2. 狭義のDeep Plane

より一般的にイメージされるDeep Planeでは、顔の外側で皮膚下を進んだ後、一定の位置からSMASの深層へ入り、必要な範囲の支持組織などを解放します。

皮膚とSMASを一体の組織として移動させるため、中顔面を含めた変化を設計しやすく、皮膚だけに強い張力をかけにくいことが特徴です。

狭義のDeep Planeの範囲を示した図
狭義のDeep Planeでは、SMASの深層での剥離と組織の一体的な移動が中心となります。

3. さらに限定されたDeep Plane

中顔面では、表情筋をSMAS側の組織に含めるかどうかによって、剥離する層の考え方がさらに分かれます。学術的にはコンポジットフェイスリフトと呼ばれます。

どちらか一方がすべての患者さんに優れているわけではありません。SMASの厚さ、脂肪の分布、過去の手術、併用する術式などに応じて、適切な層を選択する必要があります。

さらに限定されたDeep Planeの範囲を示した図
より細かな定義では、中顔面の表情筋とSMASの位置関係まで考慮します。

カウンセリングで確認したい4点

  1. SMASの深層へ入る位置と範囲
  2. 支持靱帯や周囲組織をどこまで解放するか
  3. 頬・フェイスライン・首のどこを改善目標とするか
  4. 自分のたるみ方に、その術式が適している理由

まとめ

Deep Plane Faceliftは一つの決まった操作を指す言葉ではなく、幅を持って使われています。術式名だけで手術の質や効果を判断することはできません。

患者さんごとの解剖と希望に合わせて、必要な層・範囲・移動方向を設計しているか。それが最も重要な確認点です。

本記事はDeep Plane Faceliftに関する一般的な情報を提供するものです。同じ術式名でも手術内容は医療機関・術者によって異なります。実際の適応、効果、経過、合併症については診察時に医師へご相談ください。